Claude Codeを入れてはみたけれど、「思ったより賢くない」と感じている人へ。

ほとんどの場合、原因はツールではなく使い方です。受託開発で毎日使っている立場から、精度と速度が明確に変わる7つの習慣を書きます。

前提:筆者は React / Next.js / TypeScript を中心に受託開発を行う現役エンジニアです。機能や料金は改定が速いので、詳細は公式サイトでご確認ください。

習慣1:作業を始める前に「今の状態」を説明させる

いきなり指示を出す前に、AIに現状を把握させるとその後の精度が変わります。

このプロジェクトの構成を説明して。どんな技術を使っていて、どこに何があるか

これを最初にやると、以降の指示で「どのファイルのことか」が通じるようになります。人間の新人に初日でいきなり実装させないのと同じです。

習慣2:プロジェクトのルールを文書として置いておく

毎回同じ説明を繰り返しているなら、それは文書に書いてAIに読ませるべき情報です。

  • 使っている技術と、その理由
  • 命名規則やディレクトリの方針
  • やってはいけないこと(「このファイルは触らない」など)

多くのAIコーディングツールは、プロジェクト内の指示書を読み込む仕組みを持っています。ここに書いておけば、毎回の説明が不要になります。

特に効くのは「やってはいけないこと」です。禁止事項を先に渡しておくと、事故が明確に減ります。

習慣3:1指示1目的を守る

最も効果が大きく、最も守られていない習慣です。

悪い例

ログイン機能を作って、デザインも整えて、テストも書いて

良い例

ログイン機能を作って。まずは入力欄と送信ボタンだけでいい

まとめて頼むと、AIが優先順位を自分で決めます。その判断がずれると、全部が微妙にずれます。小さく区切って積むほうが、結果的に速いです。

習慣4:対象を先に絞る

「バグを直して」ではなく「components/Header.tsx のスマホ表示が崩れている。そこだけ直して」。

対象を絞ると、精度が上がるだけでなく費用も下がります。エージェント型のツールは、指示を実行するためにプロジェクト内のファイルを読むからです。読む量が減れば、速くて安くて正確になります。

習慣5:会話が長くなったら区切る

やり取りが長引くほど、AIが抱える前提が増えて濁ります。話題が変わったら新しく始めるのが基本です。

「さっきから直らない」という状態の多くは、前提が汚れているのが原因です。言い方を変えて粘るより、リセットしたほうが早く解決します。

習慣6:出力を読んで、動かして、それから次へ

AIの出力をそのまま次へ積み上げると、間違いの上に間違いを積むことになります。しかも本人はどこが原因か分かりません。

  1. 出てきたものを動かす
  2. 期待どおりか自分の目で確認する
  3. 違っていたらどう違ったかを伝える(「動かない」ではなく「押しても何も起きない。エラーは出ていない」)

理解できないコードが出たら「これは何をしている?」と聞いてください。説明できる状態を保つのが、結局いちばん速い進み方です。

習慣7:実装させる前に相談する

いきなり作らせるより、先に方針だけ相談するほうが手戻りが減ります。

◯◯を作りたい。実装方針の候補を2つ挙げて、それぞれの長所と短所を教えて

方針を決めてから実装に入ると、「作ったけど作り直し」がほぼなくなります。設計はまだ人間の仕事です。

やりがちな失敗

やりがち どうするか
エラーを要約して伝える 全文そのまま貼る。行番号もファイル名も手がかり
同じ指示を言い換えて連投 3回で見切り、会話を新規にするか作業を割る
実装方法まで指定する 望む結果を伝え、実現方法はAIに任せる
動いたら完成とする 公開前のセキュリティ確認は自分の責任

指示の書き方そのものは7つのコツに、つまずきの対処は失敗7つにまとめました。

それでも限界はある

正直に書くと、次の場面ではまだ人間が主導する必要があります

  • 要件が固まっていないとき(何を作るべきかはAIには決められない)
  • 性能や設計の判断が絡むとき(トレードオフの選択)
  • 公開してよいかの最終判断

つまり、AIに任せるほど判断の仕事だけが手元に残ります。楽になるのは書く作業で、確かめる作業は減りません。ここを引き受けられる人が、いちばん恩恵を受けます。

まとめ

  • 最初に現状を説明させる。新人にいきなり実装させないのと同じ。
  • ルールと禁止事項を文書化して読ませる。事故が減る。
  • 1指示1目的・対象を絞る・会話を区切る。この3つで精度も費用も変わる。
  • 実装前に方針を相談すると手戻りが消える。
  • 残るのは判断の仕事。そこが価値になる。

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