この記事について:広告・アフィリエイトリンクを一切含みません。GitHubで話題のリポジトリを、公式READMEと公開情報にもとづいて紹介する記事です。筆者が実際に導入して検証したわけではありません

コーディングエージェントは商用ツールだけではありません。オープンソースで、自分で中身を確かめられるものもあります。

earendil-works/pi は★約8万を集めているエージェント基盤です。ただしこの記事で一番伝えたいのは機能ではなく、READMEが自ら明記している注意点のほうです。

基本情報

項目 内容
リポジトリ earendil-works/pi
スター数 約79,900(2026年7月29日時点)
フォーク 約9,800
ライセンス MIT
直近の更新 2026年7月28日
earendil-works/pi のGitHubリポジトリページ
earendil-works/pi のリポジトリページ(2026年7月29日・編集部にて取得)。複数パッケージで構成されたモノレポになっています。

何を提供しているか

4つのパッケージに分かれています。

パッケージ 役割
pi-coding-agent 対話型のコーディングエージェントCLI
pi-agent-core ツール呼び出しと状態管理を持つエージェント実行基盤
pi-ai OpenAI・Anthropic・Googleなどを統一的に扱うAPI
pi-tui ターミナルUIライブラリ

注目すべきは pi-ai です。提供元ごとに異なるAPIを1つの形にまとめているため、モデルを乗り換えても呼び出し側を大きく変えずに済みます。

商用ツールを使っていると「このツールはこのモデルに固定」という制約に当たりますが、そこを自分で選べるのがオープンソースの利点です。

最重要:権限制御を持たない

READMEにこう書かれています(要約)。

Piは、ファイルシステム・プロセス・ネットワーク・認証情報へのアクセスを制限する権限システムを内蔵していません。既定では、起動したユーザーとプロセスの権限でそのまま動きます。

これは欠陥ではなく設計方針の明示です。そして初心者が最も気をつけるべき点でもあります。

商用のコーディングエージェントの多くは、ファイルを書き換える前に確認を求めたり、実行できるコマンドを制限したりします。Piはそれを持たないので、あなたのPCでできることは、基本的に何でもできるという前提になります。

READMEでは対処として3つの隔離パターンが案内されています。

  1. Gondolin拡張:本体と認証情報はホストに置き、ツール実行だけをローカルの軽量VMへ回す
  2. Docker:プロセスごとコンテナに閉じ込める
  3. OpenShell:ポリシー制御されたサンドボックスで動かす
権限制御を持たないエージェントの動かし方。そのまま実行する危険な方法と、コンテナ・サンドボックスで隔離する対策の比較図
公式READMEに記載された隔離パターンをもとに、編集部で整理した図。

つまり「隔離して使うことが前提の道具」です。ここを読み飛ばして自分のメインPCでそのまま動かすのは、率直に言って勧められません。

どんな人に向くか

  • エージェントの中身を理解したい人。実装が読めるのは学習教材としても価値があります
  • 複数のLLMを切り替えて使いたい人
  • Docker等で隔離環境を用意できる

逆に、「まずAIでアプリを作ってみたい」段階の人には向きません。商用ツールの方が安全側に倒れているぶん、事故を起こしにくいからです(→AIコーディングツール主要5種を比較)。

この記事で一番言いたいこと

オープンソースのAIツールを試すときは、機能一覧より先にセキュリティの記述を読んでください。

Piは誠実な部類です。できないことを自分から書いているからです。逆に、権限やサンドボックスについて何も書かれていないエージェント系ツールのほうが、扱いには注意が要ります。

当サイトでは「AIの出力を鵜呑みにしない」と繰り返してきましたが、ツールそのものの選定にも同じ姿勢が要るという話です。

まとめ

  • earendil-works/pi はオープンソースのエージェント基盤。★8万、MIT。
  • pi-ai により複数のLLMを統一的に扱えるのが強み。
  • 権限制御を内蔵していないとREADMEが明記。Docker等での隔離が前提。
  • 初心者の最初の1本には向かない。中身を学びたい人向け
  • OSSのAIツールは、機能より先にセキュリティの記述を読む

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